活動を振り返るPKO25年

活動を振り返るPKO25年

国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(PKO法)が制定・施行されて、今年(2017年)で25年。
PKO法に基づく日本の国際平和協力活動の主要な歩みを振り返ります。

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1992年のPKO法施行以来、日本はこれまでに、27件の国際平和協力業務に対し、延べ約12,000名の要員を派遣してきました。また、物資協力も、これまでに計28回実施してきました。(2017年6月現在)

グローバル化の進展に伴い、主要国の間で大規模な武力紛争が起こる可能性が低下する一方、国内における紛争やこれに近隣諸国が関与するような地域的な紛争へと、紛争が質的に変化してきました。国連PKOにも、当事者の停戦合意を支える停戦監視のみならず、文民の保護や長期的な平和構築など、ますます多様な任務が求められてきています。こうした中で、日本の国際平和協力隊も、停戦監視から、国づくりに向けた選挙支援やインフラ整備まで、一層多くの分野で活躍してきています。

このような日本の質の高い貢献は、国際社会から高く評価されており、日本の要員の高い士気と能力は、他国の要員の模範ともなっています。また、国内に目を転じると、国連PKO活動への参加に肯定的な回答は、PKO法施行2年後の1994年度に実施された世論調査では約6割でしたが、2016年度には8割近くにまで達しています。

日本は、今後とも、国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の旗の下、これまでのPKO活動の実績の上に立ち、日本の強みを生かし、能力構築支援の強化、部隊及び個人派遣など、国際平和協力分野においてより一層積極的に貢献していく考えです。

外交に関する世論調査img
1992年6月 PKO法公布

1990年8月の湾岸戦争の過程で、日本は資金面・物質面の協力のみならず人的側面でも積極的な国際貢献を行うべきだとの理解が国内で広く定着したことから、1991年7月、内閣官房に「国際平和協力の法体制整備準備室」を設置し、本格的な法律制定作業に乗り出しました。その結果、国会での審議を経て、1992年6月15日にPKO法が成立しました。同法は6月19日に公布され、8月10日に施行されました。

1992年9月 PKO法に基づく初めての業務として、第2次国連アンゴラ監視団(UNAVEM II)に選挙監視要員を派遣

1992年9月、アンゴラ人民共和国(現アンゴラ共和国)で、第2次国連アンゴラ監視団(UNAVEM II)による監視の下、国会議員選挙と大統領選挙が行われました。日本は3名(民間人1名、公務員2名)の選挙監視要員を派遣し、これが、PKO法に基づく初めての国際平和協力業務となりました。

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選挙の様子のimg

選挙の様子

1992年9月 国連カンボジア暫定機構(UNTAC)に第1次陸上自衛隊施設部隊600名を派遣。同年10月には75名の文民警察要員を派遣

1992年9月、日本は、明石康国連事務総長特別代表(当時)率いる国連カンボジア暫定機構(UNTAC)に、停戦監視要員8名、陸上自衛隊施設部隊600名を派遣しました。停戦監視要員は、他国要員とともに、武装解除のために集められた武器の保管状況の監視や、停戦が守られているかどうかの監視を行いました。自衛隊施設部隊は、内戦で荒廃した道路や橋の修復、さらにはUNTAC構成部隊に対する給油・給水、医療・宿泊施設の提供、物資等の輸送・保管など、幅広く活躍しました。

同じ1992年9月、カンボジア憲法制定議会選挙に向けての広報・教育用として、UNTACに対して視聴覚器材(ビデオ・ラジオ・小型発電機のセット)の提供(PKO法に基づく初めての物資協力)を実施しました。

同年10月には75名の文民警察要員が派遣され、殉職者1名を出すという痛ましい事件に見舞われながらも、現地警察の活動が公正中立に行われているかの調査・監視や、現地警察に対する捜査方法などの指導・助言を行い、任務を全うしました。

→「カンボジア国際平和協力業務」、「国連カンボジア暫定機構(UNTAC)に対する物資協力」のページへ

道路整備作業を行う日本の施設部隊img

道路整備作業を行う日本の施設部隊

1996年2月 ゴラン高原の国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)に司令部要員と自衛隊輸送部隊を派遣

国連は、第4次中東戦争後の1974年にシリア、イスラエル両国が兵力引き離し協定に合意したのを受け、停戦監視と両軍の兵力引き離し状況を監視する国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)を設立しました。UNDOFはイスラエル・シリア間の和平交渉における中核的な問題であるシリア南西部のゴラン高原に展開し、現在も活動を続けています。

日本は、1996年2月から2012年12月までUNDOF司令部要員及び陸上自衛隊輸送部隊を派遣し、UNDOFの活動に必要な食料品などの物資の輸送や保管、道路などの補修といった後方支援業務などを行いました。

→「ゴラン高原国際平和協力業務」のページへ

他国要員とともに活動する日本の司令部要員img

他国要員とともに活動する
日本の司令部要員

物資の輸送を行う日本の輸送部隊img

物資の輸送を行う日本の輸送部隊

1998年6月 PKO法の一部を改正する法律公布

これまでの派遣の経験を踏まえつつ検討した結果、国連を中心とした国際平和のための努力に対して一層適切かつ効果的に寄与するため、1998年6月12日、PKO法の一部を改正する法律が成立しました。

この改正により、国連平和維持活動、人道的な国際救援活動に次ぐ第3のカテゴリーとして国際的な選挙監視活動に関する規定が置かれ、国連や地域的機関の要請に基づくものの国連平和維持活動の一環ではない選挙監視も可能となりました。また、一定の国際機関によって実施される人道的な国際救援活動のための物資協力を、停戦合意が存在しない場合でも行えるようになりました。さらに、部隊として参加した自衛官による武器の使用については、原則として上官の命令によることとなりました。

→「国際平和協力法の一部改正(平成10年6月)について」のページへ

1998年8月  PKO法に基づく初の国際的な選挙監視活動としてボスニア・ヘルツェゴビナに選挙要員25名を派遣

1998年9月、ボスニア・ヘルツェゴビナ大統領評議会構成員等の選挙が実施されました。日本は、欧州安全保障・協力機構(OSCE)の要請を受け、同年のPKO法改正後、初の国際的な選挙監視活動として、選挙監視要員5名と選挙管理要員25名を派遣しました

→「ボスニア・ヘルツェゴビナ国際平和協力業務」のページへ

紛争で破壊された建物img

紛争で破壊された建物

投票の監視を行う日本の選挙監視要員img

投票の監視を行う日本の選挙監視要員

1999年7月 東ティモールにおける初めての業務として、国連東ティモール・ミッション(UNAMET)に文民警察要員3名を派遣

国連は、東ティモール独立に向けた国づくりのため1999年に国連東ティモール・ミッション(UNAMET)を設立して以来、現在の国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)に至るまで、東ティモールの自立と民主化を支援しています。

日本は、1999年7月、UNAMETに3人の文民警察要員を派遣し、東ティモールの治安維持に責任を有するインドネシア警察に対する助言を行うなどの業務を実施しました。これを皮切りに、日本は東ティモールに対して、2007年の選挙監視団の派遣を含め現在に至るまで9件の国際平和協力業務を実施しており、一国に対する協力としては最多の件数となっています。

→「東ティモール国際平和協力業務」のページへ

派遣された日本の文民警察要員img

派遣された日本の文民警察要員

2001年12月 PKO法の一部を改正する法律公布

これまでの国際平和協力業務の実施の経験を踏まえて、2001年12月22日、2度目となる改正PKO法が公布されました。

この改正では、1992年のPKO法公布以来凍結されていた自衛隊の部隊等が行う平和維持隊(PKF)本体業務の実施が可能となりました。また、国際平和協力業務に従事する自衛官が、(1)「自己の管理の下に入った者」の生命又は身体の防衛及び(2)自衛隊の武器等の防護のために武器を使用できることになりました。

→「国際平和協力法の一部改正(平成13年12月)について」のページへ

2005年4月 国際平和協力研究員制度発足

国連を中心とする国際平和のための努力において文民の果たすべき役割が増大しつつある状況を背景に、2002年12月に公表された「国際平和協力懇談会別ウインドウで開きます(座長:明石康・元国連事務次長)の提言を踏まえ、国際平和協力研究員制度が発足しました。

この制度は、既に国際機関等での実務経験を有し、将来的に更に国際平和協力分野で活躍できる人材の育成を目的とするものです。研究員の任期は最長2年ですが、元研究員たちは退職後も、国連や国際機関など、国際平和協力の分野で幅広く活躍しています。

→「国際平和協力研究員制度について」のページへ

シンポジウムで発表する国際平和協力研究員img

シンポジウムで発表する
国際平和協力研究員

2010年2月 国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)に自衛隊施設部隊を派遣

2010年1月12日、ハイチでマグニチュード7.0の大規模な地震が発生し、数十万の人々が亡くなる大きな被害がもたらされました。震災直後に現地を視察した潘基文国連事務総長は、国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)の任務遂行を勧告し、同月19日、国連安保理は、MINUSTAHの増員を決定しました。

これを受け、日本は、国連の要請に応え、同年2月から2013年1月までの間、司令部要員及び陸上自衛隊施設部隊を派遣しました。自衛隊施設部隊は、NGO等の民間団体などと連携して、地元住民のニーズに沿って、がれきの除去、整地、道路補修、簡易な施設建設などの活動を行い、ハイチの復興のために尽力しました。

自衛隊施設部隊は、2012年末にハイチから撤収し、2013年2月末までに日本の要員は帰国しました。

→「ハイチ国際平和協力業務」のページへ

他国の要員と打ち合わせをする日本の司令部要員img

他国の要員と打ち合わせをする
日本の司令部要員

作業中の日本の施設部隊img

作業中の日本の施設部隊

日本の施設部隊が建設した孤児院施設img

日本の施設部隊が建設した孤児院施設

2010年9月 国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)に軍事連絡要員を派遣

2010年1月12日、国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)は、2006年、東ティモールの治安の維持・回復、大統領選挙・国民議会選挙の実施などを目的として設置されました。

日本は、2010年9月から軍事連絡要員として2名の自衛官を派遣しました。派遣された軍事連絡要員は、担当地域内の村落を訪問し、地元の首長や警察官などから治安情勢等に関する情報を収集し、UNMIT本部に報告する業務を担いました。2011年3月には、部隊の一員ではなく個人として初めて、女性自衛官が軍事連絡要員として半年間派遣されました。

→「東ティモール国際平和協力業務」のページへ

村々を回り情報収集を行う日本の軍事連絡要員(女性自衛官)img

村々を回り情報収集を行う
日本の軍事連絡要員(女性自衛官)

シャボン玉で現地の子どもたちと交流する日本の軍事連絡要員img

シャボン玉で現地の子どもたちと
交流する日本の軍事連絡要員

2015年9月 PKO法の一部改正

2015年9月、PKO法は、「平和安全法制」の一括整備法(我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律)の一部として改正されました。主な改正内容は下のとおりです。

〇国連が統括しない国際的な平和協力活動(「国際連携平和安全活動」)への協力を可能に(協力に際しては、参加5原則と同様の原則により参加を判断する)

○業務の拡充(※1)
停戦監視、被災民救援等に加え、いわゆる安全確保業務(※2) 、いわゆる駆け付け警護(※2)、司令部業務等を追加、統治組織の設立・再建援助の拡充

○武器使用権限の見直し
いわゆる安全確保業務、いわゆる駆け付け警護の実施に当たっては、いわゆる任務遂行のための武器使用(※2)を認める

○国会承認
自衛隊の部隊等が行う停戦監視業務や、いわゆる安全確保業務については事前の国会承認が基本(閉会中又は衆議院が解散されている場合の事後承認可)

○隊員の安全確保
安全配慮規定、業務の中断及び危険を回避するための一時休止その他の協力隊の隊員の安全を確保するための措置を定めた実施要領の策定を規定

○その他の改正事項
自衛官(司令官等)の国際連合への派遣(※3)

※1  実施すべき業務の種類・内容等については、国際平和協力隊の設置に際し、実施計画として閣議決定される
※2  紛争当事者及び当該活動が行われる地域の属する国の同意が当該活動等が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められるときに限る
※3  紛争当事者及び当該活動が行われる地域の属する国の同意が当該派遣の期間を通じて安定的に維持されると認められ、かつ、当該派遣を中断する事情が生ずる見込みがないと認められるときに限る

2011年11月 国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)に司令部要員を派遣
2012年1月  UNMISSに施設部隊を派遣

2011年1月の住民投票の結果を受け、同年7月9日、南スーダン共和国が独立しました。同日、平和と安全の定着、そして南スーダンの発展のための環境の構築を支援するため、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)が設立されました。

日本は、同年11月から司令部要員の派遣を開始し、また、2012年1月から首都ジュバとその周辺で道路等のインフラ整備などの活動に従事する陸上自衛隊施設部隊を派遣しました。

2017年3月、施設部隊の活動を同年5月末をもって終了することが決定され、5月25日、施設部隊は南スーダンから撤収しました。司令部要員の派遣は現在も継続しています。

→「南スーダン国際平和協力業務」のページへ

日本の司令部要員img

日本の司令部要員

南スーダンで出迎えられる日本の施設部隊要員img

南スーダンで出迎えられる
日本の施設部隊要員

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