山本真奈美:国際平和協力業務に携わる女性たち

国際平和協力業務に携わる女性たち(第1回)

山本真奈美

山本真奈美(やまもとまなみ)
内閣府国際平和協力本部事務局
(派遣担当唯一の女性事務官)

  • いま休みが取れたら?
    →家にいたいです、新婚ですし。
  • 直したくない癖は?
    →週末の朝寝坊。
  • 尊敬する理想像は?
    →イメージ的に小料理屋の女将。

Q. スワヒリ語がお得意ということですが?

高校時代からアフリカにあこがれていたんです。他のアプローチが思いつかないままに、とにかく語学だけはと思い、大学ではスワヒリ語を専攻しました。大学時代には一年休学してケニアで活動する日本のNGOで日本語教育に携わり、普段着のアフリカを知りました。ちょうど在ケニア・タンザニア両米国大使館爆破事件があったころですね。同年代の人たちと過ごして、“なんだ、私たちと一緒じゃない”と気づいたことに加え、滞在中お腹をこわさなかったことで、どこでも生きていけるという自信につながりましたね。

Q. 現在は外務省からの出向で内閣府国際平和協力本部事務局(通称PKO事務局)にいらっしゃいますが、外務省にお勤めになるきっかけはそのあたりですか?

大学卒業後は日本の英会話学校で教務を担当していました。外務省には在外公館の派遣員というポストがありますが、当時は25歳までという年齢制限があったので、記念受験的に受けたんです。

Q. 念願のアフリカ勤務達成ですか?

いいえ。アフリカ勤務を希望していたのですが。縁あって在ネパール大使館へ派遣されました。2年間庶務や会計の補佐業務などを担当した後、中途採用の試験を受けて、東京の本省にある南東アジア第2課に配属されました。地域課ということで、業務上横断的に他局との連携があり、外務省全般の業務が見渡せたことは、キャリア上思わぬ糧でした。

Q. アフリカのみならずアジアにもつながりをもって、国際派に一歩前進ですね。

はい。その後領事局に配属されたときには“邦人テロ対策室”で日本人被害者の家族支援などに関わり、将来海外で活躍される日本人を支える領事の仕事を極めたいと思いました。

Q. 本日のインタビューは世界女性デーにちなんだものですが、これまで仕事上女性としてのメリットを感じたことはありましたか?
 特に現在はPKO事務局では、派遣担当唯一の女性常勤職員として勤務されていらっしゃいますが。

外務省では女性職員が多く、特に女性であることを感じることはありませんでした。ただ被害者支援は被害者自身が男性であれ、女性であれ、家族に必ず女性の方がいらっしゃいます。たとえばお母様だったり、奥様だったりと。実際に被害者の支援に当たったときに、メンタルなサポートとして頼られる女性としてのメリットを感じました。またPKO事務局でも女性だからといって、国会待機は免れません(笑)。いい意味でも悪い意味でも男女平等でしょうか。ただ仕事とはいっても、やはり人間関係。女性だから話しやすいとかはあるかもしれませんね。もちろん男女差というよりは、ひととひととの信頼関係によるかと思いますが。

Q. 現在、PKO事務局で担当されている業務は?

山本真奈美(愛犬と)

国際平和協力業務の中でも国連PKOへの部隊もしくは個人派遣に関して、閣議決定の手続きや、研修、装備品、式典などの手配を含めた派遣準備、また派遣中の連絡調整を補佐しています。

Q. 現在PKO事務局で勤務され、ますますその国際感覚に磨きがかかりますね。

そうですね。仕事を通じて国連とのかかわりが見えてきます。これも将来のキャリアを形成する上での財産です。

Q. 仕事上のやりがいは?

国連PKOへの派遣でも、たとえばハイチのように結果がすぐに見られるのはうれしいです。それと同時に東ティモールのように、これは以前部隊派遣していた国に再度個人を派遣したケースですが、以前の日本人部隊の働きぶりをいまだ現地の方が鮮明に覚えていてくださっていると知った時、ものすごくやりがいを感じます。当時造った橋や道など、目に見えるものの老朽化は免れません。でもこのように形では見えない貢献が、人の心の中ですたれずに生きているのがとてもうれしいですね。

Q. 将来は女性領事としてのキャリア形成を希望されているとのことですが、国際平和協力の分野に関わる方、もしくは関わりたいと希望される方は少なくないと思います。みなさんにメッセージをどうぞ。

国際平和協力分野のみならず、多くの分野での日本人の活躍を望んでいます。海外へ行くことはそれなりのリスクが伴いますが、現実的にリスクを抑えるよう、まずは自身で対処していただきたいです。また外務省はそういった方が海外で活躍される際のセーフティーネットです。私は皆さんの後方支援として頑張りたいと思っていますので、是非皆さんにも自信を持って、海外に出て行って活躍してほしいですね。

編集後記

バリバリ最前線で働く人達が困ったときや、ひと息つきたいときに寄れるような人間でありたい。いつもはつらつとしている山本真奈美さんの尊敬するロールモデルはなんと意外にも小料理屋の女将。とはいいつつも、彼女自身はかなりバリバリな事務官、というのが同僚の共通意見。そんな彼女を支えているのは新婚の旦那様のみならず、ネパールから連れて帰ってきた実家の犬、(ナイ)ロビちゃん(写真 左)。

2011年2月10日、内閣府国際平和協力本部事務局にて
聞き手:国際平和協力研究員 新野智子

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